ポールスミス

マメ(Mame Kurogouchi)の2020春夏コレクションが、パリファッションウィーク初日の2019年9月23日(月)に発表された

トップバッターとして公式スケジュール初参戦

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真18

マメがパリコレのトップバッターを飾った東京都と繊維ファッション産学協議会によるファッション プライズ オブ トウキョウの支援を受け、2018-19年秋冬コレクションで初めてパリコレに参戦して以来4シーズン目を迎えるが、公式スケジュールでコレクションを披露するのは今回が初めてとなる

コンセプトは“包む”という概念

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真26

今季、黒河内真衣子のインスピレーション源になったのは、自身を繭で覆った蚕虫が、世界を淡いフィルター越しに覗く様子繭に“包まれた”蚕虫は、ディテールの消失した本質のみが映る世界を見ているのではないか…そんな想いを巡らせつつ、日本語で包容の意味を持つ「EMBRACE」をシーズンテーマに据えたこの“包む”というコンセプトを中心に据え、春の芽吹きや日常に溢れる命の気配に耳を傾けつつ、身体を守り“包む”役割を持つ洋服を作り込んでいるまた、アートディレクターの岡秀行が1972年に出版した『包』にもオマージュを捧げた

モチーフは日常的なオブジェクト

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真30

“包む”という概念をコレクションピースに落とし込むにあたりモチーフとなったのは、和菓子を納める外箱やカラス除けのネットなど、誰もが日常的に目にしていながら見過ごしてしまうようなものたちポールスミス 財布 コピーたとえば、草木を守るために広げられたネットや、無造作に放置された漁網が、ルーズに編み込んだノースリーブのメッシュトップスや、バックスタイルをリボンで結んだロングドレスへと姿を変えている

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真2

曇りガラス越しに見る夏の風景は、モデルが歩くたびに袖から流れ落ちるようにして揺れ動くフィルム素材のフリンジを施した、シアー素材のレイヤードドレスによって表現された当たり前のように存在する身近なオブジェクトや旅先で見つけた日本の風景を再構築し、新たな命を吹き込むというクリエーションの姿勢は、これまでにも黒河内が大切にしてきたことだが、今季も健在のようだ

透け感のあるピースをレイヤード

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真19

スタイリングで目を惹いたのも、メッシュトップスやシアーなワンピースといったベールで衣服を“包み込む”という手法レーシーな羽織を軽やかなドレスに重ねたり、ネットトップスを光沢感を纏ったノーカラーコートの上に被せたりと、様々な素材で仕立てた洋服に透け感のあるピースをレイヤードすることで、力強くも柔らかなムードを演出している

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真17

マメを愛するファンの心を掴んで離さないPVCバッグも、モデルたちがあえてネットワンピースで覆うようにして携えている点も印象に残ったポールスミス ネクタイ 偽物

キーカラーはグリーン&ホワイト

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真1

キーカラーは、春になると私たちを取り囲み、新しい季節の訪れを教えてくれる新緑のようなグリーンそして、眩い日差しを彷彿とさせるホワイトメインとなるカラーを潔く2色に絞っているが、刺繍、プリント、染め、織りなど幅広い表現が入り交じった服地は、リズミカルな表情を湛えている

トッズとのコラボパンプスが登場

マメ 2020年春夏コレクション - “包む”ことで見えてくる本質|写真36

視線を足元まで落とすと、マメのアイコニックなドレスを思わせるエレガントなカッティングのパンプスが目に入るが、これはトッズ(TOD’S)とのコラボレーションによるものイタリアのクラフツマンシップとマメの感性が融合したスリングバックシューズが、コーディネートをより品格ある佇まいへと導いている