ヴェルサーチ

トレンドの先端をいくデザイン性の高い服をリーズナブルな価格で提供し、クリストファー ケイン(Christopher Kane)やメアリー カトランズ(Mary Katrantzou)など注目若手デザイナー達とのコラボも毎回話題となる、イギリス発のファッションブランド「トップショップ(TOPSHOP)」と「トップマン(TOPMAN)」日本でも2006年に初上陸して以来、たくさんのファッション好きを魅了してきた今回、そんなトップショップを率いる3名のディレクターたちへのインタビューがロンドンで実現世界中で成功してきたそのビジネスの秘密に迫った

ケイトフェラン(Kate Phelan) トップショップ

一人目は、2011年にトップショップのクリエイティブディレクターに就任した、ケイトフェラン(Kate Phelan)彼女は元英ヴォーグ誌のファッションディレクターで、現在は著名ファッション誌での長年の経験で培ったセンスを武器に、ブランドの方向性を決める重要なポジションを担っている出版界からファッション界に入ったことで感じた苦労や、ディレクターとしてのブランドの今後のヴィジョンについて語ってくれた

まず、トップショップのクリエイティブディレクターを引き受ける事になったきっかけを教えてください

トップショップと関わるようになったのは、8~9年前にトップショップの広告キャンペーンのスタイリングを手掛けたのがきっかけでしたトップショップチームと仕事を重ねていくうちに、自身の雑誌での知識をトップショップへのコンサルティングに活かすようになったのです

そして昨年、トップショップのMD(マーチャンダイザー)であるメアリーホーマーから、トップショップがクリエイティブな視点からブランドを引っ張っていってくれるような人物を探していて(オファーがあり)、とても面白そうだと思いクリエイティブディレクターの職を引き受けることにしました

この仕事はこれまでの私のキャリアの中でも、特に刺激的なものになると確信しましたし、19年間雑誌に携わってきてそろそろ何か違うことをしてもいいかなとも思う時期でもあったんです

雑誌の仕事からファッションブランドに移って、いろいろ難しい部分もあったのではないでしょうか?

トップショップに来て初めの頃、まずブランドのスケールを把握すること、雑誌と比べて単純化された小売業について理解することは難しいものでしたこの業界にはまだまだ出会うべき人がたくさんいて、多くの文化と学びの機会に溢れていると感じています

トップショップというブランドをディレクションしていく上で、どこからインスピレーションを得ていますか?

映画、本、ヴィンテージの洋服など、心を動かされる物からなら何からでもインスピレーションを受けます

ケイトフェラン(Kate Phelan) トップショップ

トップショップのクリエイティブチームに入ってから今までの間、あなたが達成してきことの中で一番印象に残っているのは何ですか?

ロンドンファッションウィークでトップショップのウィメンズのコレクションライン、「トップショップ ユニーク(TOPSHOP UNIQUE)」を新しいディレクションでプロデュースできたことが最も誇らしかったですその他では、”NEWGEN(ニュージェン、トップショップがスポンサーを務める若手支援プロジェクト)”で若いデザイナーたちを招いたことですね彼らには自由に独自の感覚でビジネスを進めて行ってほしいと思っています

クリエイティブディレクターとしてあなたが思い描くヴィジョンを教えて下さい

まず、トップショップが今のような地位を築くまでには、何年もの時間を経ていますそのため、これまでにトップショップが成し遂げてきた成功も忘れてはいけないと常々感じながら仕事をしていますもともとトップショップの服を素敵だと思っていたので、そこに一番誇りを持って取り組むべきだと考えています

その中で、私が最も重点を置いているのは、トップショップが国際的な舞台で成功し続けることこれまで培ってきたトップショップの持つ独自性を失わないようにしつつ、海外のマーケットでのビジネスの拡大に期待していますきっと、もっと面白いことになりますよ!

トップショップ

トップショップの、同名のウィメンズラインのヘッドデザイナー、ジャッキーマークハム(Jacqui Markham)はデザインチームを統括しているトップショップ初のコレクションライン、「トップショップ ユニーク」を手掛けたり、ケイトモスとのコラボレーションプロジェクトを率たりと数々の重要な企画にかかわってきたそんな彼女に、デザインが生まれる過程から、この秋冬に打ち出しているトレンドまで、トップショップのデザイン業務全般について聞いた

トップショップ ジャッキーマークハム(Jacqui Markham)

トップショップに入るまでのキャリアを教えてください

ファッション業界へ足を踏み入れたのは、ニューキャッスル大学のファッション科を卒業後、ロンドンに引っ越してまず「ウェイセス」というストリートブランドで働き始めたときですそのあと「キャナミラン」に移りましたここまでが4年間での出来事その後、1998年にデザイナーとしてトップショップに来ましたそれからもう13年になります結構長いですね

やはりその頃と比べると成長を感じますか?

私が入りたての頃はトップショップのデザインチームはとても小さな規模でしたヴェルサーチ 偽物たった5人だけで業務をこなしていたのに、今ではデザイナー30人にインターンシップ生もいます本当に変わったし、チームとして大きく成長したと思います

30人でトップショップ全てのラインをカバーしているのですか?

そうです30人でトップショップのメインラインのデザインを手掛けていますプリントデザインに加えて、服に靴にアクセサリーにコスメジュエリーは別の所に任せているのですが、それ以外は全て内部で行っています

デザインチームのトップとして日々の仕事では何に重点を置いていますか?

私たちの仕事で一番重要なことは、次に来る12ヶ月で人々が何を着たくなるか予想を立てることですヴェルサーチ スーツ コピーそのトレンドを知るためには、あらゆる情報を収集しますきちんとした根拠がなければ予想は立てられませんからそれを元にデザインを起こすんです

ここでの私の仕事は、デザイナーたちが(トップショップが来るべきシーズンに打ち出す)トレンドを決定するのを手伝うこと例えば、ジャケットのデザイナーに「ここのカットはどう思うか?色はどうすればいいか?」など聞かれますので、アドバイスをしたりします

売上は意識します?

売上の状況分析も重要な仕事売り場からもどんな服が売れたのか毎週フィードバックがくるので、それを元に、この生地にこの値段は適正かなどといった問題について考えますだから店でヒットした服でどれ1つとして知らないものなんて無いんですよ!

現場からの声が新しい製品にも活かされているんですね

もちろんトレンドの成長、逆に廃れていくのを見るのは、需要のバロメーターを見ているのと同じ人々のニーズはすぐに変化しますそれにリアルタイムで応えていくためにこうした市場の情報を分析することが必要不可欠なのです

顧客のとても近くにいるということですね

そうです常にお客様の近くにいるということが大切なのですその他では、デザイナーたちは(店舗に並ぶ商品を決める)バイヤーたちとの距離を縮めるようにしていますお客様の選択もバイヤーたちが何を選んだかによって影響を受けますし、全てがリンクしているのです

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